INTERVIEW

BEHIND THE SCENES OF “CUBES” -UNTOLD STORIES FILE#01-

2014年9月4日 |


8月9日に新譜『CUBES』をリリースしたばかりで、お忙しい中ありがとうございます。まずは初めてCrystal Lakeを知る人に向けてというところで、まずはバンドの紹介からお願いします。
YD(以下Y) :詳しい年数とかはっきりは覚えていないんですが、2002年に結成して、2003年から本格的に活動を始めて1stデモの『Freewill』を作りました。ギターの二人が出会って出来たバンドで、今もその2人がオリジナルメンバーとして残っています。当初は90S’USハードコアやヨーロッパでいうニュースクール・ハードコアがベースになったスタイルでやっていました。韓国でライブしたり、DAY OF CONTEPMPTというオーストラリアのバンドと日本で5カ所ぐらいツアーをしたりしていましたね。他は、Risenっていうストレート・エッジ系の間では有名なアメリカのバンドと、LoyalのこばさんがヴォーカルやっていたUnboyというバンドと3ウェイのスプリットを出したりしました。それから色んな要素を入れるようになって2006年に1stアルバム『Dimension』を出しました。徐々にライブのフィールドも広がっていき、「INDEPENDENCE-D 2006」や「Taste Of Choas」などに出演したりもしました。それからベースのこたちゃんが入ったんですが、何時だったかは、はっきり覚えてないなぁ(笑)。ベースのこたちゃんは高校の先輩なんですよ。こたちゃんとは昔一緒にNUMBのコピーバンドしたりしていた仲で。一度は別々になったんですが、その後もStatecraft、Eternal B、At One Strokeなどのライブでよく会うようになったんです。最初はライブの手伝いとかしてもらっていたのですが、ベースが脱退するというタイミングでベースとして加入してもらったんです。それから2枚目のアルバム『Into The Great Beyond』は2010年にリリースしました。その後またライブを重ねていく中でヴォーカルが抜けて、2012年の7月にRyoが加入しました。機会としては一緒に一個一個触れないんですが、それからたくさん海外のバンドと一緒にライブする機会があって、さらに国内でも色んなバンドとすることが増えて、今に至るというところです。

なるほど。完璧な流れだと思います。更に詳しい年数などはウィキペディア参照ということで(笑)。たくさん海外のバンドと競演したり、メンバー脱退もあったりと、山あり谷ありの中でも活動を続けてきて今があるという意味で、やはり継続は力だと再確認しました。そして長年培ってきた経験と感性が凝縮されたEP、『CUBES』がリリースされたわけですが、「このタイトルに込められた意味は?」みたいな質問は他のインタビューでも多いと思うのでそちらを参照ということで、他のインタビューではまだ聞かれていない部分を突っ込んで聞いていきたいので、1曲目から順番に曲のできる経緯、歌詞の意味や、曲のコンセプトを教えて下さい。まずはビデオにもなっている1曲目の『Ups&Downs』の歌詞の意味だったり、曲のコンセプトなどを教えて下さい。

Track01 Ups&Downs
Ryo(以下R) :『Ups&Downs』というのは英語で「浮き沈み」という慣用句なのですが、生きていく中で良いことも悪いこともあるけど、自分なりにどん底からでも這い上がって希望を掴み取るという意味で解釈をしていて、「難しいことは考えずに一緒に行こうぜ」という意味での「Here We Motherfucking Go!」という歌詞なんです。

すごくキャッチーな曲ですよね。
Y:自分たちがステージから見てきた映像を思い描き、ライブが一番という気持ちで作ったので、シンガロングして欲しいなってのがベースにあります。「キャッチーさ」という意味では、ヴォーカルのバランスを今回はフックポイントとして考えています。意外と曲もミドルテンポ重視で攻めていて、細かいリフの移り変わりやハイブリッドな流れは意識しながらもヴォーカルの言葉のステップだったり、リズムってのは大事にしています。ミッド・テンポの中でスピード感とアッパー感を出したいと思っていたので。コンセプトは常にみんなとシェアできるライブという点ですね。楽曲ポイントとか言ってもいいですか。

もちろんどうぞ。よろしくお願いします。
Y:楽曲のポイントとしては装飾系のフレーズとブルータル・リフの組み合わせかたですね。いわゆるアラビア・コードで世界観や神秘的な雰囲気を出したかったというのがありました。その他にも、今回はシンガロングの裏にかぶせも工夫していて、最後のほうで僕がコーラスしているところの裏で賛美歌みたいな声をいれて雰囲気を出したりしていて。
R:ハモリでうまく雰囲気を作り出す感じですね。
Y:そういう要素も入れて、全体的に神秘的な絵を描きながらもブルータルさは消さないというコンセプトはありました。

確かにYDさん歌ってるメロディーのところ凄く良いですものね。あそこから開けていくというか。
R:後半から一気に雰囲気でおしていく「重厚さ」みたいなのは出せたらいいなっていうところで試行錯誤しました。

Track02 Beloved
R:歌詞を読むと「男女間のことについての曲ですか。」とよく聞かれるのですがそうではなくて、これは大切な仲間や家族に対する詩で、俺と同い年で死ぬ必要ないのに死んでしまったり、「なんで逝っちゃうんだよ。」という自分の無力感を歌った詩です。俺には叫ぶことしかできないけど。

かっこいい!
R:全然かっこよくないですよ(笑)。最近自分が目の当たりにすることが多くて。こういうことが立て続けにそういうことがあって、なかなか精神的にも難しい時期でした。ただ、曲自体がすごく雰囲気がある曲なので、どちらかというと詞の細かい内容というよりも曲の雰囲気を作り出すヴォーカルというのを重視した感じですかね。

ということは曲が先にあったということですか。
R:そうですね。先にありました。

楽曲に関してもそういう歌詞にリンクしたイメージだったのでしょうか。
Y:コンセプトは1曲目と同じなんですけど、結局メインのフックにあたるようなヴォーカルのラインっていうのを一番意識してて、シンガロングに限らず耳に届く言葉とラインを作りたいということを意識して曲構成もできています。ただこの曲は自分たちが今までやってきた背景を踏まえて素直にできた曲ですね。ただトライところとしては、アクセントでよりへヴィーなパートを作りたいということで、いきなり落とすGの音階を入れています。

Gに落とすってことはどう再現されるのでしょうか。
R:7弦ギターを使うしかないですね。
Y:まだライブではやってないんですが、ライブでは7弦で実現可能なので。レコーディングではトライした結果がまとまって、ヘヴィーさに繋がったので、そういう新しい試みをやろうかなぁと。結果、起承転結の中にうまくヘヴィーなパートで変化をつけれたと思います。僕が曲の世界観やイメージを作るのが好きなので、クリーンパートからの風の音とともにメロディーがのるみたいな、スケール感のある曲を目指しました。

こういう話を聞くと、違う聴き方ができそうですね。普段リスナーってやっぱり聞き流してしまっている音が多いと思うのです。こういう話を聞いて爆音で聴かないと、作り手の本当に意図するところまでは聴くことが難しいですものね。是非みなさんYD氏のストーリーを感じながら聴いてほしいですね。「おっ、風吹いたぞ!」みたいな。
Y:風マジで重要なんで。
一同爆笑。
Y:こいちゃん(KENTA / Crossfaith)の裏で鳴っているギターもハモってるんで。
R:ギターのメロが際立っている『CUBES』の中で一番Crystal Lakeらしい曲ですね。

そうか!この曲ではこいちゃんが参加してるんですものね。なんでこの曲にこいちゃんというキャスティングなのかみたいな質問は他のインタビューでも聞かれますよね。
Y:それが意外と聞かれないんですよね。一回も聞かれてませんね。

勝手な想像で「The Fire Inside」など再録曲にゲストいれて違うアレンジにするのかなぁとか思っていたので、まっさらな曲にこいちゃんを投入したのはびっくりしました。その意図は?
Y:曲を作って最初から疾走する部分で本当はRyoとは真逆なハイトーンなヴォーカルをイメージしていたんですが、色々考えていくうちに、自分たちの周りで活躍していて、色々と研究している人と一緒にやれば俺たちも感化されていいんじゃないかと思うようになって。こいちゃんに乗っけてもらって、一味変わったらいいんじゃないみたいな話になって、ちょうどOUTBURNの時に「やっちゃう?」みたいに声かけたら快く引き受けてくれて。
R:かなりハマって凄いいい雰囲気も出てるし俺との違いも出していますね。
Y:結構アレンジしてきたので面白かったですね。

こいちゃんはたくさんゲストヴォーカルの経験もあるし、参加するバンドに対しての自分の色の出しかたが凄く良いですよね。彼のスパイスが曲をよりドラマチックに演出し、曲に立体感が更に出た気がしました。
Y:曲の立体感!その言葉「今日一」かもしれない!パクろうかな(笑)。奥行き広がりという意味ではそれは本当に一番意識していたので嬉しいです。クリーン・トーンも結構音変えて思ったより重なっているんですよ。同じリフをひいている時にも、ミッドのフェンダー・トーンに加えて裏でカラカラの音も実は鳴っていたりして。

具体的にはどの辺りでそういう試みをされているのですか。
Y:クリーンで風が吹くところですね。(3:20辺り) バッキングも実は3トーンぐらい入れていて、アルペジオのパートも2トーンぐらい重ねていて、みんなが意識してないところでそういうことをすると意外と音が甘くてもたつんですよね。たまたまやってみたら良くて。

すごいレイヤーが重なってるんですね。
Y:意外とそうですね。女性が化粧して意外と気がつかないショックさと一緒で(笑)。

音楽も絵もなんでも完成図が見えてないと無駄にいくら重ねても良くならないと思うので、そこはさすがですね。
Y:音の立体感です!

恥ずかしい(笑)。

Track03 Mahakala
R:「マハカーラ」と読みます。シヴァというヒンドゥー教の神様がいるんです。シヴァは破壊の神様ということになっているのですが、破壊だけじゃなくて、その後に新しい生命を産み土地を豊かにするという、破壊と創造の二面性を持った神様なんです。その神様に対する自分なりの解釈を歌詞にしています。音楽をやっていく中でしがらみだったり、つまんないことが多いんですが、俺の中でこの曲のテーマは、そんなんじゃ面白くないから、ぶっ壊してみんなで立ち上がって俺たちと一緒に新しい世界(ムーヴメント)を作ろうぜっていうメッセージで。一見すると攻撃的でネガティブに聴こえるような歌詞になってるんですけど、根底にあるのはそういうポジティヴなエネルギーですね。

凄く共感できます。いいですね、そういうアティチュードは。
R:テクニックの面で言うと、特にこの曲ではとにかく言葉をたくさん詰めたんです。本当はもっと言葉数もつめるつもりだったんですけど、さすがにやり過ぎだってことになって。歌い回しにしても自分の持っているテクニックを全て盛り込んだヴォーカルをやっている人にとっては興味もってもらえる曲だと思います。
Y:結構ヴォーカルのレイヤーもみんなで工夫してて、さっきのギターじゃないですけど、ロウの配置一つにしても45度だったり90度だったりでも聴こえが違うし、言葉のアクセントやリフに対してヴォーカルの乗り方一つでも耳に届くヘヴィーさが全然違うじゃないですか。Ryoとしては新たな試みだったけどドンピシャはまった中で、構成としてもまとまったというところです。
R:結果曲が完成するのはかなり早かったですね。イントロは前からあったのですが、なかなか形にならなくて。今回『CUBES』を作るってことで、そういえばこういう曲あったね、ってスタジオでやってたら気がついたら完成していた曲です。

さっきから話を聞いていて、単純に凄いバンドだなと思うのは、みんなでディスカッションして曲を良くしていくといのは難しいじゃないですか。各パートのエゴとかもあると思いますし。
Y:そうですね。僕たちは目標ががっちり共有できたら速いなってのはありますね。基本的には自分がリフを持ってきて、その中から直感でイケてるイケてないというのはみんなのコンセンサスとって決めることが多いです。フェーズとしては、アイディア出しから曲のまとめまで、ヴォーカルに関してはRyoと二人でスタジオに入って歌いまわしを相談して決めたりするんです。やっぱりフックとか、ヴァースが曲の中で決め手になるというところはみんな常に意識してて。だから曲が良くなればという共通の目標があれば、エゴの部分よりも全体像を底上げしたい気持ちのほうが強くて上手くまとまりますね。もちろんお互い譲らないところはあるんですが。
R:やっぱりヴォーカルだけで作っちゃうとどうしてもテクニック重視になってしまうので、フックを作るのにはアドバイスもらって客観的な意見も凄く勉強にもなりました。
Y:実は最初にヴォーカルのイメージから曲を作ることが多いよね。

普通ギタリストはリフから曲を作るんじゃないんですか。
Y:もちろんギターのリフは別に作ってますが。
R:ヴォーカルのフックのポイントから曲を組み立てていくことが多いですね。だいたいそういうアイディアはYDさんにもらってます(笑)。

そこがCrystal Lakeが生み出す唯一無二の臨場感に繋がっているんですね。僕が単純にYDさんが凄いなぁと思うのは、自分の感じてる音や世界観を伝えるのって大変じゃないですか。
Y:みんなちゃんと伝わってるんですかね?(Ryoを見て)大丈夫ですか。体で表現してますけどね!
一同爆笑。

なるほどパッションなんですね。
Y:気持ちですね。伝わってればですが。

曲を渡して、メンバーから自分が思ってたイメージと違う案が帰ってきた時、それが良ければ採用するんですか。
Y:僕はそういう一期一会ミラクルのほうが好きです。

それは意外ですね!
Y:本当ですか?
R:意外と色々試してて、しっくりくるものを選んでるので、これが正解というものはそんなにないですよ。
Y:そうだね。意外と誰かがポロっと口に出したり、適当にひいたフレーズが「ヤバいじゃん!」みたいのなのが好きですね。トライして客観的に聴いて、寝かせて、どれがベストかなみたいな。メンバー間のそういうやりとりは難しいですよね。言葉にする強さと、それをグッと受け入れるところが良さというタイプの人もいるので。僕はどっちかというと全部を出しちゃうタイプだから、それに応じたレスポンスを求めるんですけど、人の話を聞いて受け入れてくれるShinyaみたいな人がいないとバンドが成り立たないと感じてます。


続く

FILE#02 Coming Soon…



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Crystal Lake『CUBES』
1. Ups&Downs 
2. Beloved 
3. Mahakala 
4. See This Through 
5.Rollin’(limpbizkit cover) 
6. The Fire Inside 
7. Cubes

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